去る2023年10月8日、シンガーソングライターの谷村新司(たにむら しんじ)さんが、私たちの手の届かない遠い国へと旅立たれました。
谷村さんと言えば、『昴』そして、アリスとしての活動など、優しくも低く魅力のある声で私たちを魅了くれました。
私の中では、普段はいつもニコニコしていて、宝塚が大好きで、お話も上手で、すてきなおじさまという印象です。
谷村さんと語るうえで忘れてはいけないのがやっぱり『サライ』ですよね?
24時間テレビ(日本テレビ系)でもおなじみの曲、皆さんも一度は聞いたことがあると思います。
さてその『サライ』ですが、歌詞に出てくる『サライの空』ってどんな空?そもそも『サライ』って何なの?という疑問を持ったことがある方も多いのでは・・・?
そこで今回はその『サライ(の空)』について、
- サライの空とはどんな空?歌詞の意味は?
- サライの作詞作曲は谷村新司?
などの項目でご紹介していきたいと思います!
サライの空とはどんな空?歌詞の意味は?
「桜吹雪の サライの空へ・・・」・・・って歌いますけど、そもそもサライの空ってどんな空なの?と思ったことがある方は多いのではないでしょうか?
実はこれにはいくつかの解釈があるのでご紹介していきます。
まずは、企画した日本テレビの紹介では・・・
サライの空とは「心のふるさと」「心のオアシス」
つまり、「心の中にあるふるさと」の空ということのようです。
企画した日本テレビによると、曲のテーマが「心のふるさと」とのこと。
「サライ」という曲名はペルシア語「سرای」(サラーイ、UNGEGN式: Srāy; Srāi)から来ているらしく、直訳は「宿(または家)」という意味なんだそう。
本曲には「砂漠の中のオアシス」という意味も込められているようで、「宿(または家)」や「砂漠の中のオアシス」が、曲のテーマ「心のふるさと」に近いから『サライ』という曲名になったという解釈のようです。
そして、次のエピソードは全く別の意味なのですが、このような情報もありました。
サライとは架空の国であり、造語
つまり、サライの空というのは架空の異国の空ということのようです。
でも、だとすると「桜吹雪の サライの空」というのは、なんとなく日本人の心の中に浮かぶ情景、こころのふるさと、という雰囲気の歌詞からは離れてしまう感じもしますね。
ただ、もともとこの『サライ』という曲は1992年に24時間テレビの中で、谷村新司さんと加山雄三さん(弾 厚作)が24時間以内に曲を作るという企画でつくられたものです。
作詞は一般公募でした。
その中から選ばれたものを、谷村さんがまとめたというものなんですよね。
選ばれた方の話では造語だということのようですが、それをなんとなく、音の近いペルシア語と結びつけたのではないかという解釈。
日本テレビ側としては、やはりテーマに結び付けて、良い曲を作りたかったという思いもあったのでしょうし、「家」「宿」という意味もあるというところから、誰にでもある「こころのふるさと」という意味に結び付けた、ということなのでないでしょうか?
実は、この議論、かなり昔からされているようですが、私が個人的に思うのは、曲の解釈や、意味というのは聞いた方それぞれの解釈でいいのではないかなと思います。
「こうでなくてはいけない!」ということではないと思うんですよね。
本を読んだとしても、詩を読んだとしても、短歌や俳句を読んだとしても、絵を見たとしても、その作品の解釈というのは、個々人の置かれている状況、考え方によって全然変わってくるものですよね?
芸術作品、アートは、もちろん作者さんの思いもあると思いますが、どう解釈するかは、人それぞれでいいのではないかなと。
だから、『サライの空』も人によっては、歌詞のように桜吹雪の舞う、美しい日本の景色を思い浮かべる方もいるでしょうし、人によってはなんとなく遠い異国の空を想像してみる方もいると思います。
皆、それぞれでいいのではないかなと私は思います。
ところで、この名曲「サライ」ですが、作詞作曲は谷村新司さんなのでしょうか?
続いて見て行きましょう。
サライの作詞作曲は谷村新司?
前段でも少し、ご紹介しましたが、実は日本テレビの企画で、もともとは『愛の歌』と呼ばれていたこの曲は一般公募で選ばれたものなんです。
それを谷村さんがまとめて、歌詞にし、それに曲をつけたのが加山雄三(弾 厚作)さんということなんです。
編曲は、はねけんこと羽田健太郎さんです。そして、歌唱したのが谷村さんと加山さん。
最初からすべてを谷村さんが作詞したということでないわけです。
とはいえ、やはりこの曲を作ったのは谷村さんと加山さんというイメージは強いですね。
まとめ
さてここまで、サライの空とはどういう空で、どんな意味なのか、作詞作曲が谷村新司さんなのかということについてご紹介してきました。
遠い国に旅立たれてしまった谷村さんですが、谷村さんの作品はいつまでも鮮やかに私たちの記憶に刻まれ、そしてこれからもずっと谷村さんのことを、谷村さんの曲を愛してやまないファンの方たちによって歌い継がれていくと思います。
もちろん「サライ」も・・・。
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